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クラシカルとプラクティカル

ホメオパシーの世界では「クラシカル」と「プラクティカル」という二大流派があるようです。

クラシカルは 、200年前のハーネマンの著書オーガノン第4版を読んだアメリカ人ホメオパスであるケントの“その人自身の最も核になる一種類のレメディ(シミリマム・レメディー)さえあれば、他には何もいらない”という解釈に基づき「レメディーはセッション1回につき1種類を与え、1ヶ月などの時間経過の中で様子を見る」というやり方でレメディーを投与する流派です。

対する プラクティカル は、ハーネマンの著書オーガノン第6版に記されている「1つの症状に1つのレメディーを、症状によっては何度もリピートしながら与える」という教義に基づいてレメディーを選んでいる流派なのです。
私の学んだRAHでの流儀はというと、どちらかというとプラクティカルに属するのではないかと思っていたのですが、最近のレメディーの選び方などをみていると最終的には1つのレメディーを出すことになったりするのでプラクティカルというくくりにもおさまらないんじゃないかという状態になってます。かといってクラシカルの枠には絶対入らないんですよね〜・・・。
特別授業のために来日されたオランダ人ホメオパスのストットラー先生に言わせると「世界中のホメオパスのほぼ100%はクラシカル」なのだそうですので、クラシカルの枠には囚われていない我々は世界では少数派に属しているということになるようです。ちなみに我々は“クラシカル”的なレメディー選択を行うホメオパスの事を“ケンティアン”と呼んでいます。

というような事はありますが・・・。
ホメオパス養成学校の講師にはクラシカルの講師の先生も多数いらっしゃいました。学校でホメオパシーの『いろは』をジックリと学んだ2年間、色々な流派に属する先生達の授業を受けた感想を言わせていただければ「内容自体はクラシカルもプラクティカルも垣根はないなぁ」というのが正直な感想です。だから基本的な部分は当たり前の事かもしれませんが一緒なんですよ、多分。

それと。私が学んだ授業の中では「クラシカルはハーネマンの弟子であるケントが作った流派」という説明をされていたと思うのですが(だから私たちは「クラシカル」ではなく「ケンティアン」と呼んでるわけなのですが)、この記事を書くため『クラシカル ホメオパシー』等でググってクラシカル派の人々のサイトをチェックしたところ、ケントのケの字も書いてなかったので(元祖ハーネマンの流れをくむ正統派、みたいな書かれ方をしているサイトばっかりだったのです)、これは私の理解の度合いが悪いのかもしれません。授業では晩年のハーネマンの考え方はプラクティカルにより近い物だった、とも習っていますが・・・(ここら辺の歴史やら正統性へのこだわりが各流派の主張で異なっているのようです。部外者から見たら、どっちもどっちみたいな感じに思えるんですけどね〜・・・←クラシカルとプラクティカルではアプローチの方法が違うので、お互い譲れないのかもしれませんね)。


神秘的な感じで言ったら前者の方が断然、雰囲気があると思いますよ。
『たった一つしかない自分だけのシミリマム・レメディーを求めて・・・』なんて壮大なストーリーが浮かびそう(笑) 非常にロマンティックだし、ファッショナブルな感じさえしますよね。
でも実際に病気で苦しんでいるときに1ヶ月に1回のレメディーで様子を見て・・・、なんて悠長な事を私は絶対にやりたくはありませんから、自分でかかるとしてもケンティアンのホメオパスは選びませんね。
とはいえ、その人にぴったんこなシミリマム・レメディーが与えられたら、どんな症状も一発で劇的改善するというクラシカルのお話は相当に魅力的ではありますけどね。
ただ個人的には、そのシミリマムにたどり着くまでの道のりは非常に困難だとも思います(実際、私が受けた一番最初のセッションでプロのホメオパスが選んでくれた喘息発作用の複数の緊急レメディーセットを実際に喘息発作が出たとき、手当たり次第にガンガンにとってみたのですが、ヒットするレメディーなんて、ホントにほんの一握りでしたから・・・。←なおかつヒットしたレメディーだって、次の発作の時も確実にヒットする訳ではなかったんですよ)。

プラクティカルでも症状にあわせてレメディーを選んでいくうちに、最終的には必然的に「究極のシミリマム・レメディー」に辿り着くのですが、それはあくまで『最終的な結果』なんですよね。
まずは色々と出ている症状の花びらを綺麗にしていかないと、そこまでには至るのは結構大変。
ということで。
・・・効率で考えても断然、プラクティカルかなぁ。
夢もロマンもないですけどね(笑)

★上記の記事を書いたのは結構、以前の事です。
2020年現在、プラクティカルとしてはストットラー先生に、クラシカルではインド在住5代目ホメオパスであるサプタルシ・バナジー先生から、それぞれ学んでいます(10年ちょっと前の学生時代には、サプタルシ先生のパパの授業も受けていました! そうです、学校を卒業しても現在進行形で色々と学び続けています)。
「自分でかかるとしてもケンティアンのホメオパスは選びません」と書いていながら現在、バリバリのケンティアンであるサプタルシ先生のコンサルを受けています。直接彼に選んで貰ったレメディーをとっていますが、本当にたった1粒のレメディーをとっただけでも、その結果は想像以上のものとなりましたので、ひとくくりに「ケンティアン」などと思ってはイケナイ! と猛省しましたとも。ケンティアンにはケンティアンなりの、そしてプラクティカルにはプラクティカルの長所があるのを身をもって理解しました。
ただ、1粒のレメディーをとったあと長期間様子を見ながらレメディーの反応を待ち続けるクラシカル方式は想像通りに結構辛いということも自分自身で体感しているので、レメディーを選んで出す事に関してはやはり「1つの症状に1つのレメディーを、症状によっては何度もリピートしながら与える」というプラクティカルの考え方を採用しています。


ご興味のある方は色々なサイトをチェックして、是非ご自分にぴったんこと思われる流派を探してくださいね。